みなしごのライオン・ブルブルを育ててくれたのは、ムクムクというめす犬でした。ムクムクは夜になると、ブルブルに子守歌を歌って聞かせてくれました。
ブルブル いいこね ねむりなさい ねむりなさい…。
ブルブルはどんどん大きくなって、お母さんのムクムクよりも大きくなり、やさしい、りっぱなライオンになりました。やがてブルブルは、年をとったムクムクと離れて都会に移され、何年かたち、サーカスで人気者になりました。
ブルブルはムクムクを忘れません。ある夜、なつかしい歌声が聞こえてきました。「おかあさんだ!」ブルブルはおりをやぶって、外へ飛び出しました。町は大騒ぎ。ライフルを持った警官が、ブルブルの後を追いかけます。
ブルブルのムクムクを思う気持ちに、胸がキュンとするせつない物語。「アンパンマン」シリーズの作者、やなせたかしさんの初期の作品です。
(鬼澤 裕子)