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自然を素直な視点で見つめ、切り取った詩、また子どもの目線で描いた家族の詩……身近な風景を透明な言葉でつづった詩集です。
表題作「とうさんのラブレター」は、戦争中父親からもらった戦地からの手紙を題材にしています。検閲のためか、そのままの思いをつづれず家族をニワトリの親子にたとえた父。その手紙には、父の母を思う気持ち、子どもへの気持ちが深く深く込められています。
とうさんのあつい想いを
そのままに
ハガキは 色をふかめていく
花嫁の心のままで
かあさんは
髪が 白くなっていく
(本文より抜粋)
手紙の色がセピア色を増し、かれは色になっても、この手紙が手元に残されたことでかあさんの心は「花嫁の心のまま」。手紙に託されて届いた父の言葉の重み、意味を考えさせられる内容です。
さかなの目
ガラスごしに
さかなを みる
さかなは
わたしを みる
さかなの目で
みる
たじろぐ
さかなの目のなかの
わたしに
(本文より抜粋)
自然の事柄と自分を同列にして観察すると、何かをそこから学べることに気付く、そんな視点でつくられた数々の詩がおさめられています。
(鬼澤 裕子) |