アナグマは、もの知りでかしこく、みんなからとてもたよりにされていました。でも、年老いたアナグマは、冬のはじめに「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマより」という手紙を残して死んでしまいます。
悲しみにくれる野原の動物たちは、それぞれがアナグマとの思い出を語り合ううちに、彼が宝物となるような知恵や工夫を残してくれたことに気づいていきます。そして、春が来る頃には、アナグマのことはステキな思い出へと変わっていきます。
ある日突然、大切な人を亡くしてしまう。「死」というのは、誰にとっても本当に悲しくつらいお別れです。動物たちが死を悲しむ冬の季節を越えて、春には自分たちの中に、永遠に生き続けていくアナグマが残してくれた宝物に気付く様子を、水彩画の暖かなイラストで静かに伝えます。
支え合う友だちの素晴しさ、生きるための知恵や工夫を伝えていくことの大切さを語り、心にしみる深い感動をのこす絵本です。
(三好なほこ)