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心臓が壊れて捨てられてしまったロボットは、話しかけても誰も答えてくれない機械に囲まれて、来る日も来る日も横になって空を見上げて過ごしていました。秋の雨にさびついても、冬の雪に白くなってもずっと。
凍りつくような寒さのある日、南の国に向かうあおいことりがロボットの肩にとまります。ロボットは弱って飛べないことりに、心臓があったところをかしてあげます。胸の中のあおいことりを感じながら、ロボットは心臓ができたような温かくやさしい気持ちになり、ことりを南の国につれていってあげることにします。寄り添うふたつの心が南の国についたとき……。
ぽつんと一人ぼっちの寂しさの中に、急に訪れたやさしさ。二人の出会いは、お互いの心のぽっかり空いた部分を埋め合うような、胸がぎゅーっとなる愛のはじまりです。自分にとっては足りないと思っていたことでも、大切な人を幸せにすることができる。感動と一緒に、そんな勇気をくれる本。さみしいとき、落ち込んだとき、心にぽっと光を灯してくれるやさしく温かい一冊です。
(松井 綾子) |