そもそも小屋は、何のために建てられたものなのでしょう。ふと気がつけば、野山の風景に溶け込んで、小屋はそこにあるのです。自然の造形物ではない、人の手によって何らかの目的のために建てられた物なのに、なぜだかまるで自然の一部のように受け入れてしまう。それが小屋です。
ありあわせの廃材で作られた小屋は、あたりをとりまく風景や建てられている場所、使われている素材、植物とのからみ具合によって、いろいろな表情を見せてくれます。そんな小屋たちの姿をユーモアあふれる言葉とともにつづったのが、この写真絵本。
あざやかな写真に映し出された個性豊かな小屋のたたずまいを見ているうち、なんだか本当に小屋が心を持った存在のように感じてしまうから不思議です。もしかするとそれは、小屋を通して人々の営みが透けて見えるからなのかもしれません。
(雪 朱里)