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これまで数多くの子育て本を書き、特に小学生の子どもを持つ親に絶大なる支持を得ている親野智可等さん。先日発売になった「親ががんばらないほうが子どもは伸びる!―子育てでいちばん大事なこと」の中に「家庭は子宮の延長」という言葉を発見! この本はきっと、ユウchan世代のママにも「子育てのヒント」になると思い、お話を伺ってきました。
親野智可等さん 家庭は、子宮の延長 子どもが親の愛情を実感できるようにすること
――家庭の役割って?

今、家庭がどうあるべきか、親が子どもに何をすべきか悩んでいる人が多いと言われていますね。私が教師をしていた時もそうでしたが、お母さんたちは、みんな一生懸命なんだと思います。

先日、出版致しました本「親ががんばらないほうが子どもは伸びる!―子育てでいちばん大事なこと」の中にも書きましたが、私は「家庭は子宮の延長であるべき」だと考えています。

子宮は赤ちゃんにとって、温室ですよね。安らかで、穏やかで、安心しきった状態で過ごせる。家庭も、子宮と同じように子どもにとって温かい場所であって欲しいと願います。

親に愛され、自分の存在が認められて、温かく見守ってくれる人がいる。こういう温かい、子宮の延長のような家庭で育つと、子どもの肯定意識が養われ、親を信頼していいんだと子どもが思えるようになってきて、自己肯定感が育ちます。でも、最近の家庭は「良い子」を育てることが優先され、温かく受け入れるというより、子どもたちを否定してしまうことが増えているように思います。

本来、子どもは親子関係の中から「信頼」を学び、基本的信頼感を持つのですが、ありのままの自分を受け入れてもらえていない、安らかな雰囲気の中で育てられなかった子どもは、この基本的信頼感を持つことができずに、「不信感」ばかりが募ってしまいます。基本的信頼感が持てないと、すべてのことに「不信感」を抱くようになり、人間関係が上手くいかない、物にあたったりすることが多くなってしまうわけです。


――子どもを受け入れ、共感する

具体的に家庭を子宮の延長のようにするには、まず、ありのままの子どもの姿を受け入れ、共感することです。本では「動物のウンコ集めが好きだった子」を紹介しましたが、大人にとってそれが教育的価値がないもの、興味のないことであっても、子どもが好きで夢中になっているものがあったら、それに共感して、その世界を一緒に楽しんでみましょう。ついつい大人は、自分の価値観を子どもに押し付けがちですが、押しつけはよくありません。あくまでも、子どもの価値観を認め、共感することが大切です。

もしも、お子さんの好きなことがよくわからない場合は、まずお子さんがよくやっていることをほめてあげることから、始めてみましょう。


――子どもが何かに夢中 親は迷わず共感、応援を!

子どもは自分が好きなものは、自分なりに掘り下げていきます。いわゆる熱中体験ですね。車だったり、虫だったり、野球だったり、ポケモンなんて子もいると思います。子どもが何か熱中する物を見つけたら、分野問わず、共感、応援してあげましょう。

それは何故かというと、子どもはこの熱中体験の中で、「楽しみ方」「深め方」などの「探求する力」を身に付けていきます。これって、実は物事を考えるOSを養っていることになるんですよね。

OS作りの基がピカチューであっても、ウンコであっても、OSがあればそこに算数だったり、仕事だったりとソフトを入れ替えればいいんですよ。でも、熱中体験がなかった子は、OSがないところにソフトを入れるわけですから、なかなか上手く動きません。

これまで「子どものために良かれ」と行ってきた「教育」や「しつけ」は、子どもたちの「やる気」をつんできたと僕は思っています。子どもにとって大切なのは、「今の幸せ」。明日は、永久に明日なんです。あるかどうかわからない明日より「今」楽しいことが最優先。そして、「今の幸せ」を大切にし、何かに熱中できた子は、必ず後で伸びます。

最近の子育て、特に低年齢からの受験は、超高層ビル型。なるべく無駄がないように、効率よく知識を詰め込んでいきます。でも、僕は富士山型であるべきだと思います。富士山ってムダにすそのが広いと思いませんか。でも、そのムダな部分が必要なんだと思います。新しい企画なんて、決まりきったものの中からは生まれない。ムダな部分と何かがつながって生まれることのほうが多いと思います。だから、子ども時代は、効率を考えるのでははく、「今」を考えて欲しいですね。


――苦手なものこそ、なおらない

とはいっても、普段の生活はいいことばかりではありませんよね。整理整頓が苦手、食事のマナーが悪いなど子どもの不得意なところは、目に付くものです。でも、苦手なものだからこそ、子どものうちには直らないものです。それは、机の上がちらかっていても、食事のマナーが悪くても、子どもたちは、何も困らない。でも、大人たちは、我が子を「良い子」にしようと、口をすっぱくして何度も何度も言うわけですよ。

実は私も整理整頓が苦手で、教師時代に大失敗をしたことがあります。卒業文集に載せる校長先生直筆のメッセージを失くしてしまったんですね。必死になって探しましたが、結局見つかりませんでした。でも、あの一件以来、きちんと整理整頓をするようになりました。

好きなことなら自分からどんどんできますが、苦手なこと、できないものこそ、「モチベーション」「工夫する力」「意志力」が備わっていないと本質的には直せないものです。小さな子どもにこの3つを要求しても正直難しいですよね。それなのに、私たち大人は何度も何度も、何とかその苦手なものを克服させようと時間を割き、労力をかけるわけですよ。はっきりいって時間と労力のムダ。その時間と労力は、子どもたちを受け入れる方に使ったほうがずっと子どもは伸びると思います。

 

プロフィール
親野智可等(おやのちから)先生

公立小学校で23年間教師を務めたのち、その経験を少しでも子育てに役立てて欲しいと、メルマガ「親力で決まる子供の将来」を発行(「まぐまぐメルマガ大賞 教育・研究部門」において4年連続第1位)。
主な著作に『「親力」で決まる!』『「プロ親」になる!』『「親力」365日!』(宝島社)、『「ドラゴン桜」わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』(講談社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)、『「楽勉力」で子どもは活きる!』(祥伝社)などがある。

 
  親野智可等先生公式サイト
  子育ては「ラク」に「楽しく!」をテーマにした子育てアドバイスのほか、楽しく勉強する方法や本の紹介などが掲載されています。4万人以上のママ、パパ、先生が読んでいる超人気メールマガジン「親力で決まる子供の将来」もオススメ! 小さな子どもにも取り入れられるヒントがたくさん詰まってます!
 


新刊のご紹介
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「かしこい子」になる  やわらか親力!
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「叱らない」しつけ 子どもがグングン成長する親になる本
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親野智可等/著
PHP研究所 1,260円(税込)
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その他の親野智可等先生の著書を見る>>
  親野智可等先生

 

 
――子どもを否定しない注意の仕方を心がける

ありのままの子どもを受け入れ、共感する。といっても、子どもを怒ったり、注意しなければならないことが日常の生活ではたくさんあると思います。そんな時はどんな風に注意をしたらいいのか。僕は、「叱る」のではなく、言葉を置き換えて、「さとす」「いい聞かせる」ことをおすすめします。

「ダメ! ダメ!」ばかり言われていると、「自分はダメな子なのかもしれない…」と子どもは自信を失くしてしまいます。「自分のことが嫌いだから言っているのではない」と子どもながらに頭ではわかっていても、どんどん自己イメージが悪くなり、不信感を持つようになってしまうのです。

それから、もうひとつ「ダメ!」を言わなくていい環境を大人が作ることも大切です。たとえば、片づけしやすいように棚を作るなど、合理的工夫が必要な場合もあります。子どもを叱る前に、大人がすべきことを行った上で、「さとす」「いい聞かせる」ように心がけましょう。

とにかく、子育てで一番大切なことは、良い子を育てるのではなく、「子どもが親の愛情を実感できるようにすること」、「自己肯定感」を育てることです。ぜひ、子宮のような温かさのある家庭を作っていっていただきたいと思います。

  ――インタビューを終えて

子育て関連の本を読む時の私の必需品が「付箋」と「赤ペン」。心に響いたところや、これは使えるといったデータなどに、赤腺を引き、付箋をつけるのですが、この本は付箋の数が多かった〜。

先生や編集をご担当された2児のママは、「ユウchanの会員さんには、ちょっと早いかなぁ」なんておっしゃられていましたが、私は、妊婦さんや、0歳児のママにぜひ読んで欲しいと思った1冊です。だって、子宮を一番感じていられる人が、その感じを忘れることなく思い続けていることができたら、それが一番カンタンなことだなぁと思ったからです。親野智可等先生、素敵なお話をありがとうございました。

ぼうだあきこ

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