朝、目を覚ますと、とびきりのいい天気。
普段は何をやっても失敗ばかりのおじいさんも、今日は全部うまくゆくような気になってしまいます。
張り切って、にわとりの卵をとりにいくけれど、卵を探しているうちに踏み潰してしまって、台無しに。おばあさんもがっかりしてしまいました。
おじいさんは一生懸命考えました。どうすればさっきの気持ちに戻れるのでしょう。
おじいさんはおもむろに石をひろいあげ、ポトッと地面に落として、こういいます。
「ね、わすれようよ」
石を落とす前のことは忘れて、これから本当の今日がはじまったと思えばいい、そう考えてのこと。おじいさんの真意は、おばあさんには伝わっていたけど、小屋から逃げ出したにわとりは元に戻るわけではありません。
おじいさんはにわとりを行き勇んで捕まえようとしますが、悲しいことに、おじいさんが張り切れば、張り切るほど、裏目にでてしまうのです。
おばあさんが毎日大事に育てていた鉢植えの花がめちゃくちゃ。石を拾って、地面に落としては、また強引に失敗をなかったことにしてしまいます。
その後も、やることなすこと失敗ばかり。にわとりを捕まえようとするたびに、何かを壊してしまいます。最後は、家の屋根をぶち抜いて、ベッドの上に真っ逆様。さすがのおじいさんも失敗ばかりの自分が嫌になり、悲しい気持ちになってしまいます。
そんなおじいさんを救ったのは、やっぱりおばあさん。
「おじいさん、みてごらん! ほうきがあるでしょう。
ほら おっこちるよ。みんな わすれましょうね。」
おばあさんの健気な愛に思わずニッコリ。最後の、おじいさんとおばあさんの仲睦まじい様子で食事をするシーンには、何だか感動してしまいました。
また、その個性的な絵にも圧巻!!
古代の壁画のような、一筆画のような、岡本太郎かピカソか・・・何とも不思議な、インパクトある絵。最初は敬遠していたけど、見ているうちにどんどん好きになりました。おじいさんの突拍子もない失敗を、笑いながら見ているうちに、たくさんの元気がもらえます。
大人にも、子どもにも、何をやっても失敗の連続…、なんて日もあります。くよくよ思い悩んでしまって、一日中悲しい気分になってしまうことがありますが、でもそれではもったいない。
そんなときには、このおじいさんのように石をひろいあげ、ポトッと地面に落として、「ね、わすれようよ」とやってみてはいかがですか? 絵本を日常の中に取り入れると、絵本の世界もぐーんと広がりますよ。 |