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痛みの中では最もよく起こるものですが、腹痛以外の痛みも腹痛のかたちで表現されることが多いのです。実際問題として患児自らが腹痛を訴えることはありえません。したがって、泣き声、顔色、姿勢(たとえば下肢を屈曲して泣くなど)、顔の表情などがいつもと違うことや、嘔吐、下痢、便秘、腹満などの症状が参考になります。いつもの状態と違えば、母親にはおかしいとわかるはずです。原因として多いのは、便秘、乳児疝痛、ウィルス性胃腸炎などであります。緊急を要するものとして、腸重積症、嵌頓ヘルニア、イレウス(腸閉塞)を考えておくべきです。
1.腹痛の原因
2.腹痛の症状・ケアのポイント
[原因]
よくみられるものには * をつけてあります。
- *胃腸疾患
*便秘
*乳児疝痛
*胃腸炎(ウィルス性、細菌性)
アレルギー性胃腸炎
*腸重積症
*嵌頓ヘルニア
*腸閉塞
腸軸捻転
腸穿孔
- *腹部疾患
腹膜炎
総胆管嚢腫(胆管・膵管合流異常を含む)
- *それ以外の疾患
*上気道炎
*肺炎
*胸膜炎
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乳児疝痛(3ヵ月疝痛)
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- 本体は不明です。生後3ヵ月頃までの乳児が夕方、急に火のついたように激しく泣きだします。このとき四肢はまげて腹部のほうにひきつけていることが多く、おそらく腸管に起因する発作性腹痛があるものと想像され、乳児疝痛といわれています。顔面は通常紅潮しているが、足は冷たいことが多く、発作はときに数時間も持続します。しばしば排便、排ガスがあると症状が軽快します。普通、生後3ヵ月をすぎると自然に消退します。
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嵌頓ヘルニア
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- 強い腹痛と嘔吐を伴います。鼠径ヘルニアを有する乳児が激しく泣いてなかなか泣き止まないときには、まずヘルニアの嵌頓を考えます。
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腸重積症
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- 緊急性からみて最も注意すべき疾患です。年齢的には生後3ヵ月から2歳以内、特に1歳までの乳児に多発します。部位的ひは回盲部重積症がほとんどです。健康な乳児が突然火のついたように泣き出し、顔面蒼白となったようなときには本症の可能性を第一に考えなければなりません。そのうち何を与えても嘔吐するようになってきます。血便はほぼ必発とみてよいが、自然排便で粘血便をみたのでは診断時期がやや遅いと思われます。経過が遷延し、全身状態が悪化して泣き声もあげなくなって、おとなしくなったため更に受診が遅れた症例もあります。
泣き声、顔色、姿勢(腹部に触れると下肢を緊張させます。体をえびのように曲げ、膝を腹部に向かって引きつけるようにします。)顔の表情がいつもと違うことです。また発汗、悪心、嘔吐、下痢、血便、便秘、腹部膨満、咳その他の呼吸器症状などをチェックしましょう。
痛みの表現の把握し、子どもの好む体位を取らせることが肝腎です。一般に、前屈させて腹部の緊張を解くような体位が勧められます。緊急処置を必要とする疾患を見逃さないことです。
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