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病気とけが
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タイトル アトピー性皮膚炎にならないために食物の制限をしたいのですが

初めてのお子さんがアトピー性皮膚炎になり、さらに気管支喘息となったという体験を持っておられる親としては次の子は何とかアレルギー性の病気にしたくないと思うのはもっともであると思います。

その場合によく試されるのが、妊娠中からある程度の食物制限をしてみるやり方です。わが国では親自身にアトピー素因がある場合、妊娠8カ月から授乳期間8カ月まで卵を除去して、産まれてきた赤ちゃんも8カ月までは卵を除去し、アトピー性皮膚炎や気管支喘息の発症率を見た成績がありますが、それによりますと、第1子に比較して第2子でのアレルギー性疾患の発症が少なかったというものです。

一方欧米では妊娠の早期から卵と牛乳を除去し、アレルギー性疾患の発症率を長い年月にわたって追跡調査をした成績がありますが、アトピー性皮膚炎と気管支喘息ともに発症を予防しなかったという成績や、アトピー性皮膚炎の発症は除去を実施したグループで少なかったが、しかし気管支喘息の発症率には差がなかったというものと、少し異なった結果がでています。

このように妊娠中や授乳期間中に母子ともに食物除去をすることの確実な効果というものはまだ明らかではありません。ただ、第1子でかなり苦労をしたおかあさんで、この次には何とかしたいという意志を持たれている場合には、無理のない範囲で卵の除去を指導することはあります。無理のない範囲ということは、母親の精神的な負担にならないようにという意味で、除去をしたら必ず次の赤ちゃんはアトピー性皮膚炎にならないという保証はありませんので、あまり除去を、除去をと思い詰めてしまわないようにという意味です。従って除去をしている場合でも完全ではなく、量的に控えるという程度に終わっていることが多いようです。正直なところそのようなやり方での効果は不明です。

一方で、母乳を飲んでいる赤ちゃんの場合、すでに多少アトピー性皮膚炎を疑い、上の子や親にアレルギー性疾患がある、すなわちアトピー素因が強いとき、検査をまず行い、明らかに卵や牛乳に対する特異 IgE 抗体があるとわかったときには、母子ともにそれらの食物の除去をしばらく行います。そのような例では必要に応じた局所療法や、環境の整備も同時に行いますので、厳密に除去食の効果を確かめることは困難ですが、特異 IgE 抗体の量がそれほど多くない例では2〜3週間の除去の後、おかあさんに食べてもらって母乳を通じて赤ちゃんが反応するかどうかを見ます。反応が見られるときはもちろん授乳期間中を通じて除去を継続します。反応が幸い明らかでないときはおかあさんの食べ具合としては量的な制限のみにとどめるやり方をしています。
赤ちゃんの方は少なくとも生後8〜10カ月までは完全除去をするようにします。

以上述べましたことはアトピー性皮膚炎にならないようにというよりはむしろ悪化しないように食物制限を試みる、と解釈をしていただけたらよいと思います。食物除去のみでアレルギー性疾患の発症をすべて押さえようとすることはとても無理があると思うからです。


著者:岩田 力
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