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アトピーの体質(アトピー素因、アレルギー素因)があることがアトピー性皮膚炎になる一つの条件になります。アトピー素因とは本人にアレルギー性鼻炎や気管支喘息、蕁麻疹があること、或いは家族に同様にアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などがあることが判定の大きな基準になります。
生後数カ月の赤ちゃんの場合には両親、兄・姉などの家族にそのようなアレルギー性の病気を持っている人がいないかどうかが重要でしょう。しかしアトピー素因を持っている人が全てアトピー性皮膚炎になるわけではありません。素因と、次に何が関係しているのか、これは残念ながらまだよく分っていません。
アトピー性皮膚炎ではないか、或いは家族にアレルギー性の病気があるのでこどもも調べてほしいという理由で小児科の外来を受診された赤ちゃんの血液を調べてみると約3割で卵白に対する特異 IgE 抗体をもっていました。そしてこのような赤ちゃんは検査をしてから1年後の調査でも何らかのアレルギー性の病気(多くはアトピー性皮膚炎ですが)を持っていることが多いことが分りましたので、アレルギーを勉強しているものの立場からいいますと、離乳食に卵をあまり早くから加えてしまうとアレルギー性の反応を増すのではないかということが考えられます。これは私達の調査結果だけではなくて、国内の多くの研究者もだいたい同じ立場を取っていますので、アトピーの素因に加えて離乳食の進め方もアトピー性皮膚炎を起こす一つの要素になる可能性はあります。
皮膚にはそのほかの体の部分と同様にまたはそれ以上に大事な役割として外界からのよそものの侵入を食い止めるという役割があります。自然に備わっている皮膚の水分や脂肪分を損なうような生活はアトピーをこじらせることが知られていますので、特に初めてのこどものとき、ツルツルピカピカの赤ちゃんにしようというあまりにお風呂で一生懸命洗ってしまうことがありますが、これは明らかに、少なくともアトピー性皮膚炎を悪化させる要因になります。
結論的にはどのようなこどもがアトピー性皮膚炎になるのかということはまだよく分っていません。既になってしまっている場合の悪化要因も患者さんそれぞれで違うことがありますし、今のところはアレルギーの素因(アトピー素因)を持っている人に、そのほかの何かのおそらくは複数の要素が加わると発症するとしか言い様がないと思います。
アトピー素因そのものは遺伝します。多くの調査では優性遺伝が考えられていますが、古典的なメンデルの優性遺伝ではあまりにも数が多くなりすぎますので、優性ではあっても何かほかの要素が加わっていると思われています。数年前にアトピーに関係のある遺伝子は第11番目の染色体にあるといわれましたが、これもその後の研究ではまだ多くの人を納得させる状況にはなっていません。
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