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病気とけが
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タイトル 異物を飲んだ
中毒110番
つくば市   0990-52-9899 (9時-17時)
大阪市   0990-50-2499 (24時間)

本来、飲んだり食べたりするべきでないものを飲み食いしてしまった時を、 異物誤飲(ごいん)または誤嚥(ごえん)といいます。


◆ この場合におこること
  1. 化学的・物理的傷害
    飲み食いしたことで、口の中やノド、食道、胃の粘膜が傷害を受け、タダレたり、潰瘍になったり、場合によってはのちに狭くなったり、穴があいたりする

  2. 全身的な中毒症状
    症状飲んだり食べたりしたものが吸収されて血液中に入り、吐いたり、痙攣をおこしたりする。


一般的に、強い酸やアルカリ、有機溶剤をつかった洗剤などのもの、漂白剤、石油類などは前者の作用が強く、吐かせてはいけません。

意識がはっきりしていれば牛乳、牛乳がなければ水をコップに1-2杯飲ませて、救急病院を受診する必要があります。
牛乳は飲んだものを薄め、また吸収を遅らせますし、粘膜の保護の意味もあって有用ですが、脂肪に溶けて吸収がはやくなる防虫剤などの場合は、飲ませてはいけません。

その他のものは、牛乳や水を飲ませたあと指を口の中に入れ、舌の奥の方を押さえつけるようにして吐かせることが望ましいのですが、乳児や幼児では吐いたものを気管に吸い込む恐れもありますので、1-2回試みても吐かせられなければ、それ以上無理をしないで救急病院に連絡して指示を受けて下さい。

薄めて使う洗剤などは成分の濃度が高いので、洗剤原液を少量でも飲んだ場合は診察を受ける必要があります。

消化・吸収されることのないコインやオモチャのようなものであれば、針のように尖ったものでさえも、胃を通過しさえすれば、ほとんどは自然に便とともに排泄されますが、食道や胃にとどまっていないかの確認が必要ですので、診察を受ける必要があります。

口から入ったものが、食道から胃・腸の消化管の方ではなく、空気の通り道である気管の方に入っていった場合は気道異物で、話が全く別になります。
次の「異物を吸い込んだ」の項をよく読んで、参考にして下さい。

どうして良いかわからず、心配な時は近くの救急病院に相談するか、中毒110番に問い合わせて下さい。
何を、いつ、どのくらい飲んだかが大切ですので、相談や受診の際には容器を手元に持っていて下さい。
オモチャなどで、飲んだものと同じものがあれば、それも持参して下さい。
レントゲンにうつるものであるのかどうか、の確認に必要です。

多くの事故は、防ぐことが可能です。なによりもまず、事故の予防をこころがけて下さい。


タバコ

タバコは約1本を食べると、命にかかわるとされています。

ジュースの空き缶などを灰皿代わりにして、ニコチンが溶け込んだ残りのジュースなどを飲んだ場合は、ニコチン濃度が高く、少ない量でも極めて危険ですから、必ず救急で受診をする必要があります。食べた量が1/4以上であったり、どのくらいたべたか分からない時も、診察を受けて下さい。分からない時は、考えられる最大の量を飲んだ、と考えて対処する必要があります。病院まで長時間かかる場合は、家で吐かせることを試みても良いですが、1ー2回試みてダメなら、それ以上無理をしないほうが良いです。

食べた量が1/4本以下と確認できれば、4時間注意深く観察します。顔色が悪くなったり、嘔吐もないまま丸1日が過ぎればまず安心です。

同じ家庭で、同じことを繰り返す傾向があります。家族で、「再発を防ぐためにはどうしたら良いか」を、よく話し合って下さい。

洗剤

一般的には、高濃度のものを飲まなければ危険は少ないですが、強酸性、または強アルカリ性のものは危険が大きいので注意が必要です。飲んでもムリに吐かせず、体重1kgあたり10-15ml程度の牛乳や、卵白を飲ませて刺激を少なくして、救急受診して下さい。

薄めて使うものを原液のまま飲んだり、薄めても大量に飲んだ場合は、診察を受ける必要があります。
目に入って洗っても痛かったり、赤かったりする時は眼科を受診して下さい。
いずれの場合も、受診の際には必ず容器を持参することが大切です。

漂白剤、トイレ用洗剤も毒性が強いこともあるので、注意を要します。
洗剤類のような化学物質では、混ぜると化学反応をおこして有害物質が発生する可能性があります。例えば、酸性のトイレ洗浄剤と塩素系漂白剤を混ぜると塩素ガスを発生して危険です。

注意書きをよく読んで、正しく使用することが大切です。

化粧品/入浴用品

子供は母親の化粧の様子を興味深く見ています。
まねをしないよう良く教えておくことと、化粧品に手が届かないようにしておくことが大切です。

化粧品や浴用品では、一般的には毒性は低いものが多いです。

リップクリームにはカンフル(樟脳)を含有しているものがあり、この場合は吐かせたり、牛乳など油性のものを摂取させてはいけません。カンフルの含有量としては少ないので、リップクリームをまるごと1本食べても問題になることはまずありませんが、嘔吐などの症状があれば受診して下さい。

ファウンデーション、アイシャドーやベビーパウダーのように粉状のものは、食べて中毒をおこすことはまずありませんが、吸い込んで呼吸障害をおこす危険があり、咳や呼吸困難の症状ががあれば、救急受診の必要があります。

ヘアシャンプーは、少量飲んだ程度なら牛乳でも飲ませて様子をみてもよいですが、ヘアリンスの原液を一口以上飲んだ場合は吐かせず、牛乳を200ml程度飲ませて診察を受けて下さい。

ヘアリキッド、ヘアトニック、育毛剤、香水、オーデコロンやマウスウォッシュにはエタノールが高濃度に含まれており、こどもが飲んだ場合には酔っぱらう(急性アルコール中毒)危険がありますので、急いで診察を受けて下さい。その他の危険は、ほとんどありません。

染毛剤、とりわけパラフェニルジアミンを含む永久染毛剤は毒性が強いので、絶対にこどもの手の届くところへ置かないようにして下さい。
通常、1液と2液からなりますが、とくに1液を少量でも飲んだ場合は容器を持って急いで救急病院を受診して下さい。2液のみを少量飲んだのならあわてず、牛乳を飲ませて様子をみてもかまいません。

パーマ液も1液、2液からなり、どちらも危険です。少量でも飲んだら救急受診をして下さい。1液の場合は吐かせてはいけません。牛乳を飲ませて病院へ行って下さい。

脱毛剤も同様に危険です。吐かせずに牛乳を飲ませて受診する必要があります。

マニキュア、マニキュア除光液も注意が必要です。とくに、除光液は危険です。飲んだ場合は吐かせたりせず、すぐに受診して下さい。

乾燥剤

シリカゲル、塩化カルシウムはほとんど無害ですが、酸化カルシウム(生石灰)は危険です。乾燥剤の内容を良く確かめてください。

塩化カルシウムは室内用除湿剤に用いられ、ケースにたまった水を飲む事故がよくみられます。
苦味が強く大量には飲まないので危険な場合は少なく、水か牛乳を飲ませて様子をみても大丈夫です。

酸化カルシウムであれば、危険ですので急いで処置が必要です。
吐かせたりせず、牛乳200ml程度を飲ませて、救急病院を急いで受診して下さい。
目や皮膚についた場合は、できるだけ早く、十分に洗い流すことが大切です。

受診の際には、必ず容器を持参すること。

防虫剤

パラジクロルベンジン、ナフタリン、樟脳(カンフル)があります。

いずれも脂肪に溶けて吸収されるので、牛乳や脂肪、油性の食物をとってはいけません。
水を飲ませて吐かせるのが良いのですが、樟脳は吐かせてはいけません。

防虫剤の成分を確かめて下さい。どれもなめた程度なら水分をとらせて様子を見てもよいですが、食べてしまったようなら診察を受けて下さい。

殺虫剤

蚊取り線香、蚊取りマットはかじった程度なら安全です。

ゴキブリ団子(ホウ酸団子)はホウ酸の含有量によります。 どの程度食べたかを確かめて、救急病院へ相談して下さい。 ホウ酸として、乳児で1g、幼児で3g程度であれば、様子をみても大丈夫です。

その他の殺虫剤は、有機リン系、カーバマイド系のものは毒性が強く危険です。ただちに受診して下さい。
ピレスロイド系は大量でないかぎり、心配ありません。
殺鼠剤(さっそざい/ネコイラズ)も、クマリン系以外のものはとても危険です。 ただちに救急受診して下さい。
クマリン系はなめた程度なら心配ありませんが、食べた場合は出血しやすくなりますので、受診する必要があります。

いずれにしろ、どういう成分であるのかが大切ですので、容器の記載をたしかめて医療機関に相談して下さい。

ボタン電池

飲んだ場合は、吐かせてはいけません。吐いた時に吸い込んで、気道異物になると大変危険です。
飲んだことが確実でなくとも、飲んだ可能性があれば診察を受ける必要があります。
レントゲン検査で電池の有無、あるとすればその位置、を確認する必要があります。

食道にとどまっている時は、4時間でも危険な状態になることも考えられます。
胃を通過してしまえば、便と一緒に数日で排泄されるのがふつうですので、毎回便をよく観察します。

電池の種類も大切ですので、同じ電池を持参して下さい。
一番危険なのは、新しい水銀電池です。
直径が15mm以上の大型の電池を飲んだ場合は、胃にとどまる可能性があり、また水銀電池は消化管内で分解する可能性があるので、診察を受け医師の指示に従って下さい。

記号による、電池の種類の識別
LRアルカリマンガン電池
MRまたはNR水銀電池
SR酸化銀電池


水銀体温計

体温計1本分の水銀を飲み込んでも、ほとんど無害ですが、排泄を促すために牛乳を与えて下さい。かみ砕いて一緒に飲んだガラスも問題はありませんが、口の中に刺さっていたり、傷がないかどうかを確かめましょう。

散らばった水銀が気化して水銀蒸気となると、毒性が生じ発熱、呼吸困難、頭痛などがみられます。
集めた水銀を密閉容器に入れて戸外に出し、部屋の換気を十分にして下さい。

文具

文房具は、ほとんどのものは毒性が少ないので、鉛筆やクレヨン、粘土などをなめたり、小量かじった程度なら何もせず様子を見て、異常があれば診察を受けることで良いです。

ボンドの剥がし液、修正液やマジックインクの補充用液には有機溶剤がつかわれており、飲んだ場合は診察を受けて下さい。吐かせることをしてはいけません。

インク消しも危険です。1液、2液からなりますが、とくに1液(蓚酸/しゅうさん)は危険です。
ともに、200ml程度の牛乳や卵白を飲ませて救急受診して下さい。この場合も、吐かせてはいけません。

消しゴムは食べても中毒の心配はありませんが、気管に吸い込んで呼吸障害をおこす危険があります。
鼻の穴に入れてしまうこともありますので、注意が必要です。

医薬品

子どもが誤って薬をのむ事故はしばしばみられます。
冷蔵庫に入っていた甘いこどもの水薬を、たくさん飲んでしまう事故もありますが、興味シンシンの小さな乳幼児が、おとなのカラフルなカプセルや錠剤を、頑丈な包装をやぶって飲んでしまう、信じられないような事故もけっこう多いものです。
くすりの管理は十分注意しているつもりでも、おじいちゃんやおばあちゃんがうっかり薬を置き忘れたための事故が少なくありません。

精神安定剤や糖尿病の血糖降下剤など、おとなでは広く飲まれている薬のなかに、こどもには危険なものが多くあります。子供が薬を誤って飲んだと思われる場合は、確信がなくとも近くの病院に相談して下さい。
分かれば、薬の名前と最大どのくらいの量を飲んだ可能性があるかを話して下さい。最悪の場合を考えて対処しておく必要があります。薬の名前が分からなければ、薬を出した病院や薬局に問い合わせて下さい。
それもできなければ、飲んだものと同じものを持って、近くの薬局で調べてもらうか、救急医療機関を受診して下さい。

どうしても相談するところが見つからない時は、中毒110番へ電話で問い合わせて下さい。


吐かせたり、胃の内容を洗ったり(胃洗浄/いせんじょう)は4時間以内にされることが必要ですので、薬を飲んだことがわかったら、できるだけ早く相談して下さい。
薬によっては12時間ちかく胃にとどまっているものもありますので、時間がたっていても相談する必要はあります。

心配な中毒症状は、眠りがちなどの意識障害、呼吸抑制、痙攣(けいれん)、不整脈、ふらつき、嘔吐などです。このような時は救急で診療を受ける必要があります。

ふつうにのませる、おとなに対するこどもの薬の量のめやす
成人
新生児
6ヶ月
1才
3才
7才半
12才
1/20-1/10 1/5 1/4 1/3 1/2 2/3

※この程度の薬の量なら、特殊な薬でないかぎりは心配ないと考えられます。

著者:遠藤 泰弘
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